第9回
手癖のメリット、デメリットについて僕の経験と思い出を元に書きます。
スクラッチ上達の心得 |
フレーズをたくさん覚えて、その引き出しを増やす事は非常に大切です。リズムに対してしっかり乗ることも出来ますし手が早く動くようになれば、ある程度どんな曲にでも合わせることが出来ます。何より人前に出たり、緊張した場面でもいつもとほぼ同じテンションでビシッと決められるようになります。
デメリットは、フレーズを覚えすぎると、例えばとても切ないコードが鳴ってる曲だったりテンポの割にはゆったりとした雰囲気のドラムパターンだったりした時にも、いつものフレーズが出てしまうということです。
スクラッチ以外の楽器と競演したりしたら、周りの雰囲気に合わせるための即興性が必要になると思います。
初心者から2、3年はたくさんの手癖をつける事がとても大事だと思います。細かいところまで研究して、自分が気になる音の流れをコピーしたり、作り出したり。もちろん出来ない技や、難しいコンボも覚えましょう。だいたい4年くらいたつと、それなりにスクラッチは出来てくるのでそこから、どのように練習していくかが大切だと思うんです。
第8回のマンネリと話が似てくるのですが、手癖をなくして即興性を高めるために必殺「練習しない練習法」に行く前におすすめトレーニング方法です。
まず、自分の知ってるパターンをすべてめちゃくちゃ低い音で出すとします。マーキングのシールが1cmから2cmの範囲でやります。今までレコードを離して戻すという動作が出来なくなります。続いて同様にめちゃくちゃ高い音で出します。最後に高くしたり低くしたりランダムに行います。今までなんとなく聞いたことのあるフレーズの雰囲気がぐちゃぐちゃになって出来なくなったり、かっこ悪くなったりすると思います。そこから、新たな雰囲気を模索してみましょう。
簡単に言うと、無茶して失敗するような練習をしてみようと言うことです。今までかっこよくまとまっていたフレーズがとたんに合わなくなったり、繋がらなくなったりします。しかしその経験が、いざというときに即興で音を繋げるチカラになるのではないかと思う訳です。
これは本当に独断と偏見です。手癖だらけでマンネリしてしまっている人向けです。「練習しない練習法」に行く前に是非試してみてください。